「天使は瞳を閉じて」

虚構の劇団:第7回公演「天使は瞳を閉じて」
Tenshi_web

劇団「第三舞台」の代表作を、7年ぶりに鴻上尚史の演出で上演。
マスター役に大高洋夫を迎えて、2011年「虚構の劇団」版、開幕!!
虚構の劇団


本日の先行予約、30分程度で完売した様子...
天使鴻上

無事チケットが取れました。
よかったよかった。


オリジナル公演は1988年。
当時絶大な人気を誇っていた第三舞台の公演をリアルタイムで見ることは
出来ませんでした。
だって「チケぴに徹夜で行列」なんて出来ませんて、田舎の子には。


再演は1991年「インターナショナルバージョン」
ロンドン公演版です。これも大人気すぎて観に行くことは出来ていません。


そしてミュージカル版「天使は瞳を閉じて」の公演は2003年。
残念ながら劇団「第三舞台」は既に休眠してしまっていたのですが、バラエティに富んだ
キャスティング(キャイーンの天野っち!)でミュージカル版としての復活。
こちらの公演は観に行くことが出来ました。(で、恥ずかしながら劇場で号泣..)
関連エントリー:天使は瞳を閉じて - そらいろのーと


余談ですが、天野っちの歌の旨さは驚きます。
ミュージカル版の曲がニコニコに上がっていたので、ぜひ聞いてみてください。
D


で、肝心の「天使は瞳を閉じて」
テーマは
 ”核戦争後に残された人々...” 
そうです、今この作品を公演することに意味があります。
というより、今まで上演してきたのとは、同じ脚本であっても全く意味が違います。


内容を書くとネタバレになるので、
この作品を上演する際に脚本家&演出家の鴻上尚史さんが”ごあいさつ”と称して
見に来たお客様に配布しているメッセージの一部を転記しておきます。

例えば、あなたが一人旅に出たとします。その想い出は、永遠に語られるでしょう。何葉かの写真を人に見せながら、その一人旅の思いでは、あなたの人生の中で、永遠に語り続けられるはずです。


友達と二人で旅行に出たとします。その想い出もまた、永遠に語られるでしょう。その友人と仲たがいしても、その想い出は誰かに語られるでしょう。あなたがその気になりさえすれば、その想い出は、いつでも語られるのです。


では、恋人と二人で出かけた想い出は、語られるのだろうかと思うのです。もうすでに終わってしまった恋人との想いは、語られるのだろうかと思うのです。旅行の想い出だけではありません。二人のかつてあった生活、かつてあった感情、かつてあったささいな事件。それらの想いは、語られるのだろうかと思うのです。


別れることが悲しいのではなく、二度と語られなくなる言葉が生まれることが悲しいのじゃないかと思うことがあります。二人で行った場所、二人でついに行けなかった場所、二人ですごした日常、二人で起した事件。それらに関する言葉は、もはや、お互いの人生の中で、二度と語られることはないだろう。あんなことがあったね、こんなことがあったねと、お互いの言葉として二度と生まれては来ないだろうという確信が、悲しいのじゃないかと思うのです。だって、新しい恋人とそんな話をするはずもなく、酒の席で友人に語るのも失礼というものです。


とすれば、その語られなくなった言葉は、どこに行くのだろうと思うのです。二度と語られなくなった言葉の想いは、宙ぶらりんのまま、さまよいさまよい、どこにたどり着くのだろうと思うのです。言葉が、言霊で、力を持つものなら、その二度と語られなくなった膨大な言葉達の想いは、きっとどこかに集まっているはずです。そして何かを生み出そうとしているはずなのです。


『二度と語られなくなった言葉の想い』


もっともこれは、今回の芝居のテーマとは、直接、関係はありません。これは次回作『ファントム・ペイン』のテーマです。(『ファントム・ペイン』とは、手術で、例えば右足を失った人が、手術後、失くなった右足が痛いと感じる感覚のことです。「幻痛」と言います。)


今回の芝居は、『二度と語られなくなった言葉』が生まれるまでの芝居です。誰も悪くなく、ただ一生懸命に生きているだけで「二度と語られなくなった言葉」が生まれてしまうまでの物語です....
(転載元: 天使は瞳を閉じて〜インターナショナル・ヴァージョン〜


8月の公演、楽しみで仕方がありません。
あ、一般発売は6月12日(日)からです。
まだ間に合います。ご興味のある方はぜひ。

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追記:
あ、オリジナルキャスト大高さんからもリプされてたんだっけ。


ootakatenshi